箸にも棒にもかからないものを作れ
この公案に若手実力派5名が答えました
久保 万理子
●Mariko Kubo
「大お猪口」/漆 麻布 発泡スチロール 真鍮 金属箔/H205×w54mm/各19,800円(税別)
①今回、早乙女哲哉氏に与えられた作品テーマ「箸にも棒にもかからないもの」について、自分なりにどう解釈しましたか? また、でき上がったものについて、ご自身ではどう評価なさいますか?
バカバカしいような、使えるのに使えないような、少し微笑んでしまうようなものにしようと思いました。バカバカしいものはできたと思います。
②工芸家という職業を選んで「よかったなあ」と思うのは、どういう瞬間ですか?
生活に近い物を作れるということです。
自分で塗ったお箸やお椀を使ったり、人に使ってもらったりできるのは良いことだと感じています。
③工芸家という職業を選んで「失敗したなあ」と思うのは、どういう瞬間ですか?
お店に並んでいるものを見て、これなら自分で作れるかもしれないと思い買えないことです。
④超絶技巧と天才的発想力。選ぶとしたらどちらですか? その理由も教えてください。
天才的発想力です。
超絶技巧は何年もかけて修業すれば近づけるかもしれません。
⑤あなたのいつもの作風を、音楽か、映画か、小説か、詩か、風景か、植物か、動物か、食べ物か、飲み物にたとえてください。
カヒミ・カリィ「ハミングがきこえる」
⑥あなたは結局のところ、誰に向かって作品を作っていますか?
自分の周りにいる人です。
⑦美術品、工芸品、遺宝などで、盗んでも自分の傍らに置きたいものはありますか? それは何ですか?
内藤礼 「母型」
久保万理子
東京芸大にて漆芸を学び、主に螺鈿や蒔絵などの伝統技法を用いて平面表現を行なっています。
1989年 神奈川県茅ヶ崎市出身
2015年 東京藝術大学 美術学部工芸科 卒業
2017年 東京藝術大学 大学院 美術研究科漆芸専攻 修了
受賞歴
2014年 安宅賞(東京藝術大学)
2015年 取手市長賞(東京藝術大学)